出発点は自分自身の健康と安全な食でした。
オーガニックから始まった旅は、私自身が心身に不調を抱えたことがきっかけとなり、心と身体を癒す園芸療法をベースとしたセラピューティックキッチンガーデン（療法的家庭菜園）研究へとたどりつきました。
身近で日常的に植物と関われるキッチンガーデンで野菜やハーブを育てているうちに、いつの間にか沈みがちな気持ちや不安が薄れ忘れることが多くなり、作業が終わった頃には達成感ですっかり気持ちが楽になることが多くありました。ガーデニング作業をしているといつの間にか不思議と心や身体がリラックスして整ってきます。私はそれを『みどりの魔法』と呼んでいます。

植物のもつ力を実感し、その健康効果をもっと知りたいと思い兵庫県で本格的に園芸療法を教えている県立の園芸学校に入り園芸療法を学びました。

園芸療法は病院や施設で患者さんや高齢者の方の治療やリハビリなどに使われているものですが、私自身の経験もあり効果を実感していたので、神戸市の公園で園芸療法講座を２年間行ったあともっと広く知って欲しいという想いで作ったのがグリーンテーブルプロジェクトのワークショップです。植物や自然の持っている力やエネルギーを借りて、より元気に楽しくこれからの毎日を過ごせるようになり、新しい形の心や身体のアンチエイジングでもあると考えています。

今は簡単に必要なものが手に入る時代になった分、自分が使う目的で「植物を育てて使うこと」は時間はかかりますが、日常生活をより豊かにするエッセンスのようなものでとてもワクワクする楽しい作業です。
そして、日常生活の「小さな農」は、毎日のあわただしい生活の中にも小さな喜びや発見、そして植物といういのちと触れているうちにそのありかたに自分を投影したり、新しい気づきももたらしてくれます。

ストレスがとても多い今の時代に自分自身でできるココロとカラダのセルフケアとして、多くの人が植物や自然の持つ、この『みどりの魔法』が使えるようになるといいなぁとこのワークショップを始めることにしました。
当たり前にある植物を、穏やかな日常や心豊かな毎日を支えるベースとして活用してもらえたらと思っています。